「超える」「越える」の違いとは? 正しい使い分け「スーパーサイヤ人を“こえる”」
「父さんをこえてしまった…」…ドラゴンボールで有名な台詞の一つであるが、さて、この時の「こえる」という言葉で使う漢字は、「超える」「越える」のどちらなのか。それぞれの解説を交えながら正解を考えよう。
まずは「超える」。
この漢字を用いるのは、ある一定の基準の数量や限度、範囲などを上回るとき。わかりやすいのは数字などで、例えば「戦闘力が53万を超える」といった具合で使うことができる。
そして、「父さんをこえてしまった…」については、父親という基準があり、それを超えたことになるので、「父さんを超えてしまった…」と書くことができる。実際、漫画「ドラゴンボール」の中でも、「超えた」という方の漢字が使われている。ほかにも「スーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人」のように、使われていたことも。
では「越える」はどのようなときに使うのか。
こちらは、とある地点や時、境界を通り過ぎるときに用いる。例えば「フライパン山を越えた先にドラゴンボールがある」といった具合。「頭上を越える」「年を越す」なども、こちらの「越える」が使われる。
また、極めてややこしいが、「権限を越える」とも使う。なんとなく「超える」のほうを用いそうなものだが、「越権行為」という熟語を思い浮かべれば、「越える」が正しいことがわかる。
では最後に、「落ちこぼれだって、必死に努力をすりゃ、エリートをこえることがあるかもよ?」という孫悟空の名セリフはどちらの「超える」「越える」を使うのか。
こちらは、「エリート」という基準があって、それを上回ることになるので、正解は「超える」。「父さんを超えてしまった」と同じパターンでの「超える」の使い方だ。
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