「兄弟」「兄妹」「姉弟」の正しい読み・使い分けは? 「きょうだい」に違いはあるのか

 鋼の錬金術師のエドワード・エルリックとアルフォンスの「兄弟」。鬼滅の刃の竈門炭治郎と禰豆子の「兄妹」。るろうに剣心の雪代巴と雪代縁の「姉弟」。さて、「」の中の、漢字をそれぞれ何と読んだだろうか。

「兄弟」「兄妹」「姉弟」について解説していこう。

「兄弟」に関しては、ごくごく一般的に使われており、ほとんどの人が「きょうだい」と読んだはず。実際、「きょうだい」と読むのは正しく、他にも「けいてい」「ひんでい」といった読みで使われることもあるが、こちらの読みは滅多なことでは使わないだろう。

問題なのが、「兄妹」「姉弟」だ。

まず「兄妹」。読み方はというと、「きょうだい」と読んでも間違いではない。PCやスマホで「きょうだい」と打ち込めば、「兄妹」と変換する子ができる。しかし一方で、「けいまい」という読み方もでき、こちらの読みでしか表示していない辞書もある。意味はもちろん、あにといもうとのことだ。

では「姉弟」はどうだろうか。こちらも結論から言うと、「きょうだい」と読んでも構わない。変換でももちろん出てくる。しかし「兄妹」のパターンと同じように、「してい」と読むことができることも覚えておくといいだろう。

では、もし、3人以上の「きょうだい」で、男と女が混合していたとしたら、一体どの「兄弟」「兄妹」「姉弟」を使うべきなのだろうか。

この件に関して、読売テレビの報道局専門部長、「現代用語の基礎知識」執筆委員、日本新聞協会用語懇談会委員の道浦俊彦氏が自身のブログで言及していた。

新聞用語懇談会放送分科会で、「一番上が男、真ん中が男、一番下が女」の「きょうだい」の話題を取り扱った際、どのように表記するのか各社の用語委員に質問したところ、

NHK ひらがなで「きょうだい」とする

日本テレビ 3人以上で男女混合の場合は「兄弟」か「きょうだい」だが、「兄2人と妹」では「兄妹」と書いて「きょうだい」と読ませるケースもある

フジテレビ 平仮名で「きょうだい」を勧めるが「兄弟」とすることもある

テレビ朝日 ルールはない。「兄妹」とテロップを出して「兄と妹」と読む。「きょうだい」とは読ませない

テレビ東京 ルールはない。「姉弟」なら読みは「してい」ではなく「あねとおとうと」と読ませる。「兄妹」は「きょうだい」と読むこともある。

といった回答があったようで、それぞれ対応が違っていることがわかる。しかし、「きょうだい」と書いておけば、なんとなく一番無難そうにも思える。

 余談だが、ドラゴンボールでセルはピッコロに向かって、「オレはお前の兄弟だ」と言っていた。ナメック星人には性別という概念がないので、この場合「きょうだい」のほうがいいかもしれない。